
- ネイティブの英語で一部の音が聞こえないのはなぜ?
- リダクションを勉強すれば自分も聞き取れるようになるの?
この記事ではそんな悩み・疑問に答えます。
英語を勉強している多くの日本人は、
英語が聞き取れない理由は速いからだと勘違いしています。
しかし実は聞き取れていないのではなく、言っていないんです。
この事実に気づかないために英語が上達していない人が非常に多いです。
私は社会人から英会話を始め、今では英語で仕事をこなせるまでになりました。
しかし当初は英語の聞こえない部分を必死に聞きとろうと無駄な努力をしていました。
- リダクションとは何か
- リダクションはどのようなときに起こるのかを
- 初心者でもわかるように丁寧に説明します
この記事を読むと、英語が聞き取れない理由と何を練習すればよいのかがわかります。
リダクションとは何か?

ネイティブスピーカーは、
英語を話すとき一定の法則に従って音を省略しています。
その音の省略のことをリダクションといいます。
ネイティブの英語を聞いて聞き取れず、
スクリプトを見て「こんな簡単な英語を言っていたのか!」
と驚いたことがある人も多いと思います。
この簡単な英語なのに聞き取れない原因のひとつはリダクションです。
これを速いから聞き取れないんだと勘違いし、
倍速でリスニングをするなどの無駄な努力をしてしまっている人が多いです。
少なくとも私はやっていました。

有ると思っている音は無いのだという事実を受け止めましょう。
リダクションはなぜ起こるのか?
リダクションが起こるのは、
全部をちゃんと発音するのがめんどくさいからです。
私たちは発音するときに舌や口を動かして発音します。
そうすると発音しづらい音の組み合わせどうしても存在します。
そのようなときに音を省略するということが起こります。
また適当に発音しても伝わるだろう状況では、
リダクションはさらに進み、いわゆるボソボソ喋って聞こえない状態になります。
これは日本語でも同じはずです。
相手が自分のことをよく知っていて、どんな話をしているか予想がつくときは、少し適当な省エネ発音になりますよね。
逆に電話越しや絶対に聞き間違えられたらまずい状況では、はっきりと発音しているはずです。

リダクションが起きる3つのパターン

リダクションは、
舌を大きく動かさなければいけない場合のように
労力を使う発音のときに多く発生します。
ここではリダクションが頻繁に起こる3つのパターンを紹介します。
- 破裂音の省略
- リエゾンに伴う省略
- 音の弱化に伴う省略
見てもよくわからないと思いますが、
それぞれ詳しく説明していきので安心してください。
破裂音の省略
破裂音というのは、
舌や口で空気の流れを止めて、
そのあと破裂させるように発生させる発音のことです。
具体的には、発音記号でいうと t・d・k・g・p・bの6つがあります。
破裂音は発音するのに手間がかかるため、頻繁に省略されます。

破裂音は以下の2つの場合に省略されます。
- 破裂音が語尾に来たとき
- 破裂音 + 子音

例えば Let’s start. という文章。
語尾に t が来ているので、最後の t は発音しません。
つまりレッツスターッと発音されます。
発音しようと t の形まで来るのですが、発音しないといった感じです。

破裂音 + 子音の場合も発音が省略されます。
例えば Advantage という単語で考えてみましょう。
[ədvæntiʤ] と破裂音d のあとに 子音v がきていますね。
そのため、dは発音されず、アッヴァンティージのように発音されます。
実は Advantage では2つ目の t でもリダクションが起き発音されません。
[ədvæntiʤ]のように n + t という組み合わせになっています。
詳しくはこちらの記事で解説していますが、
t は n に吸収され、アッヴァニージと発音されます。
リエゾンに伴う省略
リエゾンとは、単語をまたいで音がつながる現象のことです。
こちらで詳しく解説していますが、
英語では音のつながり方に3つのパターンがあると説明しました。
その1つが脱落(リダクション)です。
これは同じ音が2つ続いたときに発生します。
例えば Feel like 。
Feel は l で終わっていて、like は l で始まっています。
そうすると l の片方は脱落し、フィーライクと発音されます。
音の弱化に伴う省略
英語は意味の重要性によって発音に強弱を大きくつける言語です。
つまり大事な単語は強く、あまり重要な意味を持たない単語は弱く読みます。
大事な単語とは、名詞や動詞、形容詞などです。
逆にbe動詞、代名詞、接続詞などはあまり意味を持っていない単語です。
重要ではない単語は弱く読むと言いましたが、
弱く読む部分は音の省略も進みます。
例えば、of を例に見てみましょう。
of は[əv]ですが、弱く発音されるときは[ə]とvの音がなくなります。
そのため kind of は [kaind ə(v)] → [kaində] → カインダと発音されます。
さらに言うと、n + d のため d が n に吸収され、[kainə] → カイナと発音されることが多いです。
他にも
and は [ənd] が弱形では [ən] に、
or は [ɔer] ですが弱形では [er] になります。


確かにはっきりとはわからないですが、それで良いんです。
弱く読まれる単語は、聞き取れなくても文の意味に影響を与えないので。
だから聞き取れなくても焦らず、そこに何か重要ではない単語があるんだなと考えましょう。
そしてそこに有るはずの単語は文脈から推測します。
これは慣れれば誰でもできるようになりますよ。
カジュアルになるほど音の省略化は進む
ここまでリダクションが起こりやすい3パターンを紹介してきました。
まずはその3パターンを覚えることに専念しましょう。
しかし実際のネイティブの会話では、リダクションはもっとたくさん発生しています。
そしてリダクションのパターンも、人によって微妙に異なったりするんです。
そのため上級者を目指すのであれば、
いずれは実践演習でリダクションに慣れていくしかありません。
この記事では最後にリダクションに関しての傾向を2つ紹介します。
まず1つ目は、リダクションはツーカーの仲になるほど頻発することです。
つまり全て言わなくてもわかる関係というやつです。
2つ目は、ここまで説明した3つ以外のリダクションはすればするほどカジュアルになるということです。
つまりビジネス英語では、この記事で紹介した以外のリダクションはあまり起こりません。
これは日本語でも同じはずです。
やってしまった → やっちゃった と言ったらカジュアルな響きになりますよね。
どこまでのリダクションがビジネスの現場で許されるのかは、実際に英語を話す中でしか身に着けられません。
少しあやしい雰囲気のあるサイトですが、多くの英語上級者から支持されています。
ちなみに相当難しいので、上級者向きです。
まとめ
この記事ではリダクションという非常に重要な発音の法則について解説してきました。
紹介した3つのパターンは覚えることが必須と言えるリダクションの原則です。
しかし実践的なレベルでリダクションをマスターするならば、英会話やリスニング教材を通じて身につけて行くしかありません。
もしこの記事で紹介しているレベルのリダクションはマスターしていて、もっとリダクションについて勉強したいという人にはモゴモゴバスターという教材はやってみる価値があります。
怪しい名前ですが、多くの上級者に愛用されているサービスです。
ただ海外移住したいとか海外就職したいとか、本当に上級レベルを目指す人以外には不要なレベルです。
まずはこの記事で紹介したパターンをしっかりと身につけてください!
では