
- ネイティブの英語は音がひとつにつながっていて聞き取れない・・・
- リエゾン(リンキング)を理解すれば自分も英語を聞けとれるようになるの?
- 音がつながる法則について初心者でもわかるように全部教えて!
この記事ではこんな悩み・疑問に答えます。
英語は必要な法則を理解すれば誰でも発音できるし聞き取れるようになります。
リエゾン(リンキング)はその根幹となる非常に重要な法則です。
私は社会人から英会話を始め、今では発音をネイティブによく褒められるまでになりました。
しかし当時の私は、
「単語と単語で音がつながるんでしょ」
くらいの知識がありませんでした。
それがリエゾンを学んだことをきっかけに、スピーキング・リスニングが一気に上達したんです。
- 英語上達に重要なリエゾン(リンキング)とは何かから
- 音がつながる3つの法則までを
- 具体例を交えながらわかりやすく解説します
この記事を読むと、ネイティブの発音でどのようにして音がつながるメカニズムを理解することができます。
リエゾン(リンキング)は楽に発音するための工夫

英語ではひとつの文章の音が全てつながり、ひとつの単語のように発音されます。
この音がつながる現象のことをリエゾン、もしくはリンキングと呼びます。
身近な例でいえば、Thank youという言葉。
皆さんも「サンク ユー」とは言わずに「サンキュー」と発音しますよね。

音がつながるのは、流れをスムーズにして楽に発音するためです。
この「楽をしたい!」という気持ちは英語の発音の法則全てに共通しています。
だから正しい英語の発音ができるようになると、口の動きは楽になるはずなんです。
実は日本語でもリエゾンのような現象は起きています。
例えば「反応」ということば。
反応 → はん + おう → Hann + ou → hannou → はんのう
だから英語のリエゾンは私たち日本人にとって全く新しい概念ではないんです。
リエゾン(リンキング)の3つの法則

ネイティブは英語を話すとき、3つの法則に従って音をつなげています。
日本人でリエゾン(リンキング)という言葉を知っていても、
3つの法則全てを正確に理解している人は少ないです。
では具体的にどのような法則か見ていきましょう。
3つの法則 | パターン | 例 |
連結(Linking) | 子音 + 母音 | Get up → [get ʌp] → getʌp(ゲラップ) |
同化(Assimilation) | 子音 + y | Thank you → [θænk yuː] → θænkyuː(サンキュー) |
脱落(Reduction) | 同音が続く時 | Feel like → [fiːl laik] → fiːlaik(フィーライク) |
音のつながり方が3パターンもあるのには意味があります。
発音は舌の位置や口の形を変えてしていますよね。
そうすると舌の移動や口の動作がめんどくさい音の組み合わせが必ずあります。
どうしたらそれらが楽になるかを考えたときに、
3パターンに行き着いたというわけです。

連結(Linking) – Get up
まずは一番オーソドックスなパターンです。
連結は子音で終わって次が母音で始まる場合に発生します。
音のつながり方は、子音 + 母音 でひとつの音になります
例えば、Get up で考えてみましょう。
Get[get]は t という子音で終わり、up[ʌp] は ʌ という母音で始めっています。
そのため t と ʌ がくっついて tʌ (タ)というひとつの音になります。
そのため
Get up → [get ʌp] → getʌp(ゲラップ)
という発音になるんです。
ちなみにTは母音で挟まれたときラ行に近い音になります。
これをフラップTと言います。
詳しくはこちらをご覧ください。
同化(Assimilation) – Thank you
このパターンは日本人にも馴染みのあるものだと思います。
これは簡単に言うと音が混ざるケースです。
同化は子音で終わって次がYで始まるときに発生します。
Thank youはこのパターンに当てはまります。
k と y が混ざって ky という新しい音を作っています。
脱落(Reduction) – Feel like
3つめのパターンは音が消えるパターンです。
このパターンは同じ音が2つ続いたときに発生します。
「同じような音なら片方発音しなくていいじゃん」
という感じですね。
例えば Feel like で考えてみましょう。
Feel は l で終わっていて、like は l で始まっています。
そうすると l の音はひとつで十分だとなるんですね。
結果として、フィールライクではなくフィーライクという発音になります。
Feel like → [fiːl laik] → fiːlaik(フィーライク)
それ以外の脱落パターン
実は音が脱落するパターンは他にもあります。
具体的には以下の2つです。
- 破裂音 + 子音 のパターン
- HやTHが落ちるパターン

詳しくはこちらをご覧ください。
例えば、 Get set とかのパターンで考えましょう。
Get は t という破裂音で終わっていて、set は s という子音で始まっています。
その場合、破裂音である t は発音しません。
Get set → [get set] → geset(ゲッセッ)
なぜこんなことが起こるかというと、
破裂音は発音するのがめんどくさいからです。
一度空気の流れを止めて、破裂させるなんてこといちいちやりたくないんですね。
同じ理由で、破裂音は語尾に来たときも発音しません。
Get set のケースでも、最後の t を発音していませんよね。

詳しくは以下の表を見てください。
法則 | パターン | 例 |
hの音が消える | 子音 + him | like him → laik him → laikim(ライキム) |
子音 + her | love her → lav hər → lavər(ラヴァー) | |
子音 + have | should have → ʃud hav → ʃudav(シュダヴ) | |
thの音が消える | 子音 + them | call them → cɔl ðem → cɔlem(カーレム) |
h や th の音はもともと弱い音で、
聞こえないくらい弱くなったり、省略されたりすることがあります。
まとめ
今回は音のつながるメカニズムについて紹介してきました。
紹介した3つの法則が英語の音のつながりの根本にあります。
非常に重要な仕組みなので、ぜひ練習して身につけてみてください。
実はリエゾンは細かいレベルで言うと、紹介できていないパターンもあります。
また音のつながり方や省略の仕方は人によって違います。
しかしそのような応用は基礎ができてからで十分です。
まずは今回紹介した3つの法則を実践できるように練習しましょう。
リエゾンがマスターできたら、次はリダクションに進みましょう。
また発音をマスターするために必要なことを網羅的に知りたい人はこちらをご覧ください。
では!