【自宅で発音矯正】4つの母音ア(æ, ʌ, ɑ, ə)の違いと発音のコツ

4つの「ア(æ, ʌ, ɑ, ə)」の違い
A太
英語の母音にアが4つもあって違いがわからない・・・
聞き分けるコツや練習法も合わせて教えてほしい


そんな疑問・悩みに答えます。

英語のアと発音する母音4つは、
全て日本語に存在しない音なので苦手な人が本当に多いです。


しかしネイティブは4つの『ア(æ, ʌ, ɑ, ə)』をちゃんと区別していて、
正確に発音しないと意味が間違って伝わってしまう可能性もあります。


私は今でこそ4つのアを区別して発音し、聞き分けることができますが、
当時はその違いが全く理解できていませんでした。

そこでこの記事では
  • 初心者でも今日から実践できるように、
  • 4つの『ア(æ, ʌ, ɑ, ə)』を区別する3つのポイントと
  • それぞれの発音のコツを丁寧に解説していきます。

この記事を読んで実践すれば、意外と簡単にこれらの発音はマスター可能です。

4つの「ア(æ, ʌ, ɑ, ə)」を聞き分ける3つのポイント

ドアに書かれた3つのクエッションマーク


この紛らわしい音たちをネイティブは3つのポイントを組み合わせて聴き分けています。


その3つのポイントとは

  • 発声方法
  • 強さ
  • 長さ

です!


発声方法の違いだけでは聞き分けは難しいです。
強さ、長さというポイントも意識することで、確実に4つの音を区別できるようになります。


まとめるとこんな感じです。

発音 強さ 長さ 発声方法
[æ] Apple, Cat 強い 長い 口を横に開いて「エ」と「ア」の中間の声
[ʌ] Custom, Cut 強い 短い 口を動かさず「ウ」と「ア」の中間の声
[ɑ] Box, Hot 強い 長い 口を縦に開いて「オ」と「ア」の中間の声
[ə] Custom, Ago 弱い 短い 口を動かさずあいまいな声
A太
こんなの意識しながら話せる気がしません・・・


確かに最初は難しいと思います。


それでも意識し続けていれば、
考えなくても体が勝手に動くようになります。


とにかく大事なのは、
違いを理解して、区別する習慣をつけることです。

Kota
それでは1つずつ詳しく説明していきます。

強さ

ここで注目するのは[ə]だけ弱く発音するというところです。
実はこの[ə]は、アクセントのない母音が弱くあいまいに変化したものなんです。


アクセントとは単語で強く発音する箇所のことですね。
”Custom” [kˈʌstəm]を例とすると、
ひとつめの”Cus” [kˈʌs]がアクセント、”tom” [təm]はアクセントではありません。
Cusを強く、Tomを弱く発音すると言うことです。


そして英語では、弱く発音する音はどんどんあいまいに発音されて個性を失っていきます。
その個性を失った音の行き着く先が[ə]です。


例えばこんな単語

“Separate” - [sépərèɪt]
“Suspicious” - [səspíʃəs]
“Authority” - [əθάrəṭi]

スペルに関係なく、アクセントがない母音のほとんどが[ə]と発音されてますよね。


なぜかというと、アクセントが乗ってない音なんてはっきり発音するのが面倒だから!
要するに、[ə]は省エネ発音なんだと覚えておきましょう。

長さ

長く発音するというのは、簡単に言えば音を伸ばすということです。


長く発音するAppleは「あーぽぅ」、Boxは「ぼぁーくす」、
短く発音するCutは「カ(ッ)ト」、Customeは「カ(ッ)スタム」
というイメージです。


最初は極端にやってみて、だんだんとそれを自然にしていきましょう。

発声方法

発音するときの「口の形」「舌の位置」で音が変わります。
これについては詳しくは次の章で説明していきます。

それぞれの発音の特徴

それではひとつひとつの発音を詳しくみていきましょう。

[æ]の発音 – “Apple”

この音は単語のスペルが”a”で「ア」と発音する時の音ですね。


学校でもエとアの間の音と習うので、意識している人は多いです。
しかし口の動きが小さい人が多くて、ちゃんと発音できている人は少ないです。


この音を日本語の「ア」で代用してしまうと、[ʌ]に間違えられることもあるので気をつけてください!


発生方法ですが、
口角をあげて口を横に開きます。
これはえくぼを作るイメージです。
その状態でエが混じったアの音を出してみてください。

それが正しい[æ]の発音です。

[ʌ]の発音 – “Cut”

この音は単語のスペルが”u”で「ア」と発音する時の音ですね。


日本語の「ア」で通じるんですが、それだとネイティブの音とはちょっと違うんです。


発生方法ですが、
口を半開きのリラックスした状態にして、
ほとんど口を動かさず、喉から「ウ」が少し混じった「ア」という音を出してみてください。


それが正しい[ʌ]の発音です。


日本語の「ア」とどう違うのでしょうか。
“Cut”を日本語の「ア」で「カット」と発音してみましょう。
口が縦に開き、下顎が下がりませんか?
顎に指を当ててやってみると明らかに顎が動いているのがわかるはずです。


正しい[ʌ]を発音できている時は顎は動きません!


[æ]と[ʌ]の発音について参考になる動画をのせておきます。

[ɑ]の発音 – “Hot”

この音は単語のスペルが”o”でアと発音する時の音ですね。
米国式の発音では[ɑ]は「オ」ではなく「ア」に近い音ですから注意してください!


発声のポイントは口を縦に大きく開き、伸ばし気味に「あー」ということ。
何かに納得した時に発する「あー!」という声がまさにそれです!
ネイティブでも人によってはもう少し「オ」に近い「ア」になる人もいますね。

[ɔ]は[ɑ]の双子

ここで[ɑ]の発音について重要な補足です。
実は[ɑ]には[ɔ]という双子がいて、音はほとんど一緒です。
地域によって区別するところとしないところがありますが、私たちはしなくていいです。


「[ɔ]ってどんな単語の音?」って思われると思うので例をあげると、
“Ball”(テニスボールとかのボール)とか”Law”(法律)とかですね。


この音は「オ」って発音している人がほとんどですよね。
[ɑ][ɔ]の音って、「オ」と発音していても困ることがあまりないと思いがちなんですけど、
結構聞き取ってもらえないことあるんですよ!


例えば、BallとBowl(サラダとか入れる器)!
私は、テニスボールについて話してるのに全然理解してもらえなかった経験があります。。。
Ballは「ボァール」、Bowlは「ボウル」ですので区別してください!


これも参考動画を共有しておきます。

[ə]の発音 – “Custom”の後ろ後半

この[ə]には「シュワー」というかっこいい名前がついています。


そしてスペルに関わらず、アクセントが乗っていない音があると現れます!


発生のコツはほとんど口を開かず、動かさないで喉の奥からあいまいな音を出すことです。
イメージとしては仕事で疲れて帰ってきてソファーに座り込んだ時に出る「あぁ」という声ですね。


もうひとつ例を出すと、千と千尋の神隠しのかおなしがお金を千尋に渡すシーンで「ぁぁ…」と言っているような感じ!笑


[ə]は、アクセントのない母音が弱くあいまいに変化した省エネ発音です。


参考動画もわかりやすいのでみてみてください。

よくある疑問・質問

クエッションマーク

[ər]も[ə]と同じなの?

単語帳などで発音記号を見ていると、[ər]ってよくでてきますよね。


例えば
Bird – [bˈərd]
Sweater – [swéṭər]
とかです。


「これもシュワーを使っているからアクセントもこないし、弱く読むんでしょ」と思うかもしれません。
ですが、[ər]はこれでひとつの母音で[ə]とは別物なのです。
([ɚ]と書かれている人もいるかもしれませんが、[ɚ] = [ər]です。)


[ər]はRの発音です。
これについては別記事で紹介しているのでこちらを参考にしてみてください。

まとめ

この記事では、
4つの「ア(æ, ,ʌ, ɑ, ə)」を区別するための3つのポイントを紹介してきました。


日本人は発音に苦手意識を持っている人が多く、
そのせいで「伝わらない」「聞き取れない」と悩みを抱えています。


でも発音は体系的に勉強すれば誰でもマスター可能なんです。
しかもマスターできたときのリターンもめちゃめちゃデカイです。


こちらの記事で詳しく解説しているので、この機会に読んでみることをおすすめします。
自分の発音には何が足りなかったのかがわかるはずです。

英語の発音の勉強法

では!

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